今の時代こそ必要な税の知識と利益を生むしくみ①
2009年12月に清話会にておこないました講演の要旨をまとめました。
税理士が見たいのは鳩山政権の決算報告書
昨年末の流行語大賞でも話題になった、「政権交代」や「事業仕分け」。
私は旧郵政省に勤務していたときに、予算関係の業務を行っていました。特に、かんぼの宿の予算策定に携わり、建設場所の選定なども行っておりました。そのときの経験からすると、事業仕分けは非常によいことだと思います。
しかし、それと同時に、事業仕分けの効果が今年の景気にどのように結びつくのかも気になるところです。
というのも、事業仕分けによって国の予算組みがあれだけ注目されたからには、その結果、つまり決算についてもしっかりと報告してほしいと期待してしまうからです。
そもそも、国の予算は過去の実績に物価上昇率をかけるなどの政策的意図があるのです。しかし、私が勤めていたころから、旧郵政省は人事異動が行われることもあり、過去の実績を把握している人が少ないのが実情でした。
旧郵政省に限らず、ほとんどの我が国の行政機関に当てはまることは、予算=決算という、一般の企業では考えられないことが行われていたのです。
このような状況で、健全な財政などできるわけがありません。そこにメスを入れている鳩山政権は評価に値すると思います。
皆さんもテレビでご覧になったと思いますが、仕分け人に過去の実績について突っ込まれでも、はっきりと答えられない官僚が多かったのは、そうした理由があるのです。
これまでぼんやりとしていた決算がどのように行われ、どこまで明確に報告されるのか、税理士としては、今から楽しみでなりません。
経営者にとって、決算書は会社の、そして自分の成績表だと思いますが、国の事業が今年度の景気にどの程度結びついたのかを知るためにも、同の成績表にも注目していただきたいと思います。
講演の最後で、利益を生み出すための決算書の分析方法も紹介しますので、自社での活用と併せて、国の成績表もチェックしてみてください。
つづく