発展する会社・お金を残す節税とは
2011年6月に清話会にておこないました講演の要旨をまとめました。
震災後に示された新たな3つの方針
そこに東日本大震災が襲ったのである。甚大な被害からの復興策を鑑み、国は6月10日、あらためて増税に関する3つの方針を発表した。
まず「社会保障と税の一体改革」。消費税率を2015年度までに段階的に10%まで引き上げると同時に所得税、相続税の増税も行い社会保障を実現するもの。
次に「東日本大震災の復興財源の確保」。復興に必要な税収は10〜15兆円と言われている。これを捻出するために、所得税と法人税の臨時増税を行うものだ。1割程度の増税率になるとみられている。
そして「B型肝炎訴訟の和解金のための増税」。これも所得税、法人税の臨時増税によって賄うものとみられる。
方針は出たが、具体的な話はまだ進んでいない。消費税は上げるだろうが、どの程度上げるかはまだ不明。これまでと同様の上げ方をすれば、被災地にも負担がかかるため、簡単ではないはずだ。
復興財源として所得税、法人税を1割上げると、年間2兆円程度の税収増になると言われている。復興財源の目標を10兆円とするなら、5年はかかる計算だ。ちなみに消費税を10%にすると、年間2・5兆円増えると見込まれており、これを復興財源に回しても4年はかかる。震災対策の増税は一定期間必ず行われると考えておいたほうがいい。